「キング・オブ・ロックンロール」と称され、今なお世の中に影響を与え続けている伝説のスーパースター「エルヴィス・プレスリー」。その知られざる真実の物語を描いた映画『エルヴィス』が先日公開されました。
公開前から大注目だった本作は、5月に行われたカンヌ国際映画祭にて世界中のメディアからの賞賛を浴び、12分間のスタンディング・オベーションで会場が熱狂に包まれました。今回は、そんな話題の映画『エルヴィス』についてご紹介します。
エルヴィス・プレスリーとは
エルヴィス・プレスリーは、1950年代にアメリカでロックンロールを生み出し、その後の音楽の世界を変えたといわれている伝説的なスーパースターです。激しく腰を揺らしながら歌う姿は観客を興奮の渦に包み、大きな称賛を浴びましたが、その一方で当時は卑猥だという非難も浴びました。同様に、歌やパフォーマンスが黒人を強く意識させるものであったため、人種差別の風潮が残る時代では世間の非難の嵐でした。そんな逆境の中、圧巻のライブパフォーマンスを見せ、小さなライブハウスから始まったその熱狂は瞬く間に全米に広がり、スーパースターへの道を一気に駆け上がっていきました。順調とも思われたエルヴィス・プレスリーですが、42歳という若さで生涯を閉じます。
エルヴィス・プレスリーは、世界で最も売れたソロアーティストとしてギネス認定されており、その後多くのアーティストに多大なる影響を与え続けています。彼がいなければ、あのビートルズもクイーンも存在しなかったと言われるほどです。
映画『エルヴィス』について
「ロック」というジャンルの音楽で世界中を魅了し、音楽界に名を刻んだスーパースター、エルヴィス・プレスリーがどんな人生をおくってきたかを実話をもとに作成されたミュージック・エンタテイメント映画です。映画では、全米にエルヴィス旋風を巻き起こした50年代、映画出演が中心となった60年代、そして、ライブに没頭した70年代と、各年代を通してスーパースターの座に君臨したエルヴィス・プレスリーが描かれている一方で、あまりに過激なパフォーマンスであったことから社会の中傷の的となり非難を一心に浴びた彼の姿や、トムハンクスが演じる、伝説の悪徳マネージャー「トム・パーカー」と共に世界的な成功の道を極めたものの、だんだんと思惑がすれ違うようになっていく葛藤など、伝説のスーパースターの成功、挫折、そして復活をパワフルかつドラマチックに描かれています。
エルヴィス 見どころ
本作では、エルヴィス・プレスリーの伝説的な場面の数々を名曲に乗せて描かれており、観客を熱狂の渦に巻き込む伝説的なライブシーンでは、名曲「トラブル」の歌詞が煌びやかに映し出され、エルヴィスを語る上では外せない重要なシーンがフラッシュバックします。
また、主演を務めるオースティン・バトラーは約2年以上にわたりエルヴィス・プレスリーという役作りに取り組み、ほぼ全編に渡り吹き替えなしで歌唱とダンスを行い、バズ・ラーマン監督に「エルヴィスそのもの」と言わしめました。エルヴィスに人生を懸けて演じた、オースティン・バトラー姿は見どころの一つです。また作品の中でオースティン・バトラーは17歳のティーンエイジャーから42歳で亡くなる直前までを演じており、年代に合わせた容貌や体型の変化を特殊メイクで緻密に表現した点も見逃せません!
また、彼の生涯に大きな影響を与えた、悪名高く謎多き人物「トム・パーカー大佐」をトムハンクスが絶妙に演じています。エルヴィス・プレスリーという無名の一少年とその才能に生涯をかけたトム・パーカー大佐との関係が生々しく描かれており、完璧に再現されたエルヴィス・プレスリーの世界に引き込まれること間違いなしです!
最後に
世界中のファンから愛され続けているエルヴィス・プレスリーが、いかにして生まれ、どれほど愛され、どんな最期を迎えたのか。ロック好きには必見の映画ですね!エルヴィス・プレスリーを知らなかった人でも、きっと彼の歌声とパフォーマンスに魅了されることでしょう。